DVDが売れないらしい

産経新聞にあったのですが、DVDが売れなくなっているらしいです。音楽業界に来ていたデジタルの影響がとうとう映像メディアにも来たようです。

記事によると販売用洋画DVDの売り上げは5年前の1/4だそうです。「販売用」というところがポイントで、レンタルも70%に下落しているそうです。この影響で、「洋画の買い付けや邦画制作費をDVDで回収する」作戦は実行できず、映画界にとっては痛手になっているそうです。

じゃあブルーレイはといえば、こちらもあまり芳しくは無いようで、前年の倍の売り上げになっているそうですが、DVDの下落をカバーするほどじゃないんだそうです。

日本映像ソフト協会というところの発表を元にした記事らしいのですが、そこでこれらの理由として挙げているのが、以下。

  1. 「DVDで手元に置きたい」と思わせる作品が減った
  2. ハイビジョンテレビが普及し、DVDより地上デジタル放送の映画の方が画質が上になった
  3. 安売りをやりすぎて映画ソフトが値崩れを起こし、客が離れた

個人的にはここに、以下を追加したいなぁ…。

  • 景気が悪い!
  • ネットでレンタルとかがとても便利!
  • ネットでも結構見れる(←違法コピーは駄目ですよ!)
  • ケーブルもある!

キネマ旬報映画総合研究所がこれに関した興味深いレポートを出しています。

音楽業界は新しいビジネスモデルとしていたしかたなく、ダウンロード販売に取り掛かっていますが、やはり売り上げ規模の回復はできていないようですし、映像業界も何か新しい方法論を見つけないと、本当にまずいことになってしまうのかもしれません。AppleTVのようなことに積極的に参加していく、というのもひとつなんでしょうけど、多分そんなことじゃ全然追いつかないんでしょうね。

海外ドラマを観ていると、あからさまに商品や企業ロゴを画面内に入れ込んだり、様々なタイアップで視聴率確保以外の収益モデルを模倣しているのが良く分かります。でも映画でそんなのあったら興ざめという話もありますし、ハリー・ポッターシリーズや、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズのように、様々なノベルティ商法も昔からありますが、普通の映画ではこれもできませんしね。

アートハウス系の映画を上映指定したミニシアターもガンガン閉鎖されていますし、映画が大好きな人間には寂しい限りです。映画が作られなくなる可能性がある、というのは恐ろしい状況だな、と。考えてみれば、007だって、配給会社の業績不振で製作が止まっていた訳ですからね。

  

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