トリックアートの世界展
三連休に新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開催されているトリックアートの世界展を見てきました。
正直、若干嫌な予感はしていたのです。
トリックは大体において視覚的なものなので、コンセプトよりも技術が優先されます。それはそれで大変結構ですが、個人的にはあまり好きではありません。人を驚かせる事を念頭に創られたものは、それを見た人間が驚かなかった時にその価値を失うような気がするのですが、どうなんでしょうね。
例えばホラー映画。観る人を怖がらせようと必死なものが多いですよね。私もヒッチコックの「鳥」やフリードキンの「エクソシスト」には散々怖い想いをさせられました。そのため、今じゃ鳥がすべて嫌いです。「幼少期のトラウマ」ってやつですね、きっと。子供が小学生くらいのときに、この2つは見せてはいけません。それはともかく、私はこの2本以外のホラー映画で怖い想いをした事がありません。誤解を恐れずに言ってしまうと、けたたましい効果音と不協和音のように不気味な音楽が掛かる映画が私にとってのホラー映画です。
そしてトリックアートの世界展です。
サブタイトルに「だまされる楽しさ」とあるくらいのなので、よっぽどだまされるかと思いきや、中途半端にアートなのです。オプティカルアートやスーパーリアリズム、そして最近の古典パロディーといった作品が並びます。
とても会場は混んでいて、皆さん楽しそうなんですが、私は「…」。別にひねくれている訳ではなく、まったくだまされないのです。
ちなみに、会場では子供向けのトリックアート制作ワークショップをやっています。こちらは子供が喜びます。参加無料ですが、画材なども頂けるので、なかなか良かったと思います。
正にこのシーンが怖くて、鳥が嫌いになったといっても過言では無い、ヒッチコック「鳥」の1シーンを再現したバービー人形…。勿論、子供用ではないですよねぇ…。